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ドゥーラの実践内容とは?

【妊娠期】

生活に直接かかわってくる事柄を処理しつつ、妊婦の話に耳を傾ける:悲しいときにどうしてほしいか、自分の情動や恐怖、精神的あるいは身体的虐待や薬物濫用について話し合う。どのようにしたらティーンエイジャーに受け入れてもらえるか上司に相談する。妊婦の話を傾聴する。10代の妊婦の個人的な問題についてもサポートする。

健康と運動の促進:健康的な食事、栄養、妊婦がしていいことといけないこと、妊娠中の運動について話し合う。

健全な関係を築く:妊婦の交流グループを担当する。妊婦と信頼関係を築く。10代の妊婦が自分を受け入れ、自分は自分のものであるということを自覚してもらう。彼女たちをあたたかく見守っている人たち、ドゥーラやプログラムに関係する他の人たちがいることをわかってもらう。妊娠に関心をもっていることを伝える。

質の高い医療を受けるように勧める:薬や医学的介入の良い点と悪い点について話し合う。定期健診の予約と受診について確認する。医師との会話を促し、うまくいく話し方についてコツを教えたり、質問を明確にできるようにアドバイスしたりする。妊娠中に起こりうる健康問題について話す。

赤ちゃんについて教育する:お腹の中の赤ちゃんと絆を作っていくために支援する。赤ちゃんに物の名前を教えていくなど、お腹の中の赤ちゃんに周りの世界について話したり教えたりできるようにする。赤ちゃんの成長発達について教え、the newborn healthy chart を復習する。母乳にするかミルクにするかを話し合い、授乳が赤ちゃんにとってとても大切なことを理解してもらう。お腹の中の赤ちゃんがすでに持っている能力について話し合う。

性感染症や出産後すぐの妊娠を防ぐ:性感染症、避妊、受胎調節について話す。

陣痛や分娩についての指導:陣痛中のドゥーラサポートについて演じて見せる。陣痛の様子のビデオを見せる。陣痛と前駆陣痛の違い、陣痛間隔時間を計ること、安楽にする方法、呼吸法について話し合う。陣通が始まったと仮定して呼吸法の練習をする。バースプランを立てる。

基本的なニーズに焦点を当てる:自分で自分を守っていけるよう励ます。家族からの支援について話し合う。資料を配ったりして情報提供する。確実な交通手段、上の子の世話について話し合う。ドゥーラを呼ぶタイミングと電話番号、緊急時の対処法について話し合い確認しておく。


【分娩期】

少しでも楽になる方法を提供する:心地よく安全な環境、音楽、マッサージなどを提供する。陣痛中の妊婦を優しく世話する。リラックスの方法を用いる。その他の産痛緩和法。

産婦を擁護し意思の疎通を図る:産婦を擁護し、必要なときは産婦の意思を伝える。処置について詳しく説明する。若い産婦が、出産を自分のものにできるようにサポートする。自分で決断する手助けをする。言葉で支援し励ます。

分娩進行を助ける:コーチする。努責(いきむ)時のサポートをする。歩くときに付き添う。陣痛を促進するため体位を工夫する。

ドゥーラの役割について明確にする:陣痛が始まったときにはいつでも妊婦のもとにいけるようにし、万事OKとなるまでは離れない。タイミングよく判断ができるように必要な情報を準備しておく。分娩について記録し分析する。母乳育児開始を手伝う。どんな時でも出動できるようにドゥーラ自身の子どもの世話を手配しておく。

産婦の注意をそらさないようにする:視線を合わせる。導く。視覚化(ヴィジュアリゼーション)、呼吸法、祈りなどさまざまな方法を用いる。

家族の絆を深められるようにする:家族が互いに深く関わり合えるようにする。陣痛中や分娩後にも、母親と産まれてくる赤ちゃんが強い絆を感じられるように支援する。

産婦のニーズに敏感に反応する:産婦の出すサインを読み取り、してほしいと思っていることやその時々の感情に反応する。産婦の恐怖や心理状態を理解する。辛抱強く前向きな態度で接する。

ドゥーラの役割や自分の状況を常に意識する:出産チームの一員としてチームワークを促す。病院スタッフに敬意を払う。その病院のルールを守る。チームの潤滑油となる。

自分自身も大切にする:出産の後はリラックスし、周囲の誰かに出産について語って振り返り、自分自身をいたわる。


【産褥期】

産後入院中のケア:赤ちゃんの診察の際には母親の心配を和らげる。デポ・プロベラ(3カ月に一度女性に注射する避妊法)、その他の避妊法について話し合う。赤ちゃんについて万事順調であることを確認する。マッサージする。必要に応じて母親と他者とのコミュニケーションを助けたり、母親や赤ちゃんが不利な立場に置かれないように擁護したりする。

優先順位をつけて基本的なケアを確実におこなう:退院後すぐに家庭訪問をおこなう。母親と赤ちゃんのケアを復習する。母親に自分と赤ちゃんの健診予約を忘れないように、また6週健診などの定期健診をきちんと受けるように指導する。

赤ちゃんと母親の相互作用を促進する:母親が母親役割に適応し赤ちゃんに慣れるようにサポートする。赤ちゃんと強い絆で結ばれていることを確認する。赤ちゃんのあやし方を見せて教える。FANAのテキストを使って赤ちゃんのできること、できないことを理解してもらう。赤ちゃんの潜在能力について母親に驚いてもらう。赤ちゃんの代弁者となる。泣いている赤ちゃんには何をしてあげたらいいか教える。

授乳のサポート:母乳や母乳育児の方法について情報提供しサポートする。母乳育児をしない場合やミルクとの混合授乳の場合には、哺乳ビンでミルクをあげる方法について情報提供しサポートする。

家族全体を気にかける:子育てに家族を巻き込むようにする。家庭内で衝突や問題がある場合は、解決の糸口をいっしょに探る。赤ちゃんの父親も赤ちゃんとの絆を深められるよう促す。家族の支援が得られない母親には対策を考える。母親が、父親の育児参加に適応できるようにサポートする。

基本的な育児技術を教える:育児について情報提供する。赤ちゃんのためにどうしてあげたいか目標を話し合う。予防接種を勧める。泣いている赤ちゃんは何を求めているかを教える。

母親へのエモーショナルサポート:出産を祝い、慰労の言葉をかける。母親の精神面を支える。出産体験に耳を傾け、共感的に聴き、知っていることを共有し、母親と共に出産の追体験をする。

母親のニーズを言葉にし、それに向けて計画をたてる手助けをする:母親の要望、ニーズ、心配事について聴く。母親自身の目標について話し合う(学校、育児、住まい、仕事など)。

ドゥーラとして活動し続けるために:報告書類を完成する。上司との関係を保つ。自分自身のこともケアする。母親と赤ちゃんについての情報を集める。母親が他の支援を受けられるようになってきたら、ドゥーラと母親の間でつながっていた臍の緒を切り自立を促す。

特殊なケース、不測の事態にも対処できるようにする:病気をもつ赤ちゃんの母親、赤ちゃんを亡くした母親の手助けをする。赤ちゃんを養子に出す場合なども含め、母親の選択を尊重する。出産後のブルーや母親のうつ状態について知る。必要な場合はタイミングよく他の専門家へ紹介する。困難で複雑な状況で母親が下した選択をドゥーラも受け入れる。

※この資料は、3回の「ドゥーラ指導者とドゥーラのための1日勉強会(シカゴドゥーラプロジェクト主催)」で、参加者から出された意見をまとめたものです。
参加したドゥーラ指導者:Berthe Condes, Pamela King, Regina Taylor, Judy Teibloom-Mishkin

参加したドゥーラ:Rosalba Felix, Judy Gonzalez, Lovie Griffin, Peggy Henry, Wandy Hernandez, Rocio Medrano, Anita Moss, Jeanette Rodriguez, Rosa Solis, Loretha Weisinger.

ZERO TO THREE(http://www.zerotothree.org/)が発行する雑誌『Zero to Three』1998年4/5月号に掲載された内容を翻訳して掲載したものです。




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