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●【特集】合計特殊出生率1.29をめぐって
(2004年6月18日)

2004年6月10日に、厚生労働省は平成15年人口動態統計月報年計(概数)を発表した。それによると、1人の女性が生涯に産む子どもの平均数(合計特殊出生率)が、2003年は1.29に低下し、02年の1.32を下回り過去最低を更新した。

「合計特殊出生率」と「過去最低」は対の言葉なのかと思うくらい、毎年過去最低を更新し、例えば「1.29ショック」などというタイトルの論考が発表されている。

CRNに掲載されている出生率にまつわる論考を古い順に紹介していきましょう。


「1.53ショック=少産時代をどうとらえるか」 本文はこちら
 小林登 1991年 順天堂医学 37巻3号

「1990年には1.53に下がり、そのショックは日本全土に走った。」(本文より)

いま思えば1.53もあったのですね。10年以上前の論考ですが、育児休業や保育園など子育てをめぐる環境改善を提起してます。


「子育てにも仕事にも夢のもてる社会を」 本文はこちら 
 前田正子 2000年 チャイルド・リサーチ・ネット テーマ論考2 働く母親の子育て支援

「少子化対策の一つとして女性の就労支援が言われるのは、結局育児をしながら仕事もできるように制度を整えている国の方が、出生率が上がっているからです。女性が高学歴化した国で、あいかわらず女性は家庭にいるべきだとした場合、スペインやイタリア同様に出生率の下げ止まりは起こらず、どんどん下がっていく可能性もあります。政策を転換すれば、上がるとまでは言えなくても、下げ止まりは起こるはずです。」(本文より)

政策を転換しなかったから下げ止まりが起こらなかったのか、あるいは他の問題なのか?


「「公的」な存在としての子どもを考える」 本文はこちら
 池本 美香 2000年 チャイルド・リサーチ・ネット テーマ論考3 少子化時代における子育ての価値

「少子化が社会の注目を集め、子どもを育てやすい環境が整備されていくことは好ましいことだと思う。しかし、その議論の方向については、少子化をもたらしている当事者世代として、どうも違和感が拭えない。」(本文より)

「少子化を考える有識者会議」「少子化の対応を推進する国民会議」など、政府レベルでの少子化対策の取組みは、もう何年もなされている。状況が変わらない背景を知るカギに「違和感」があるのだろうか?

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ここでは3点しかご紹介できませんでしたが、これまでの出生率をめぐる論考を並べてみると、変わらないこと、変えていかなければならないこと、が見えてくるような気がします。

みなさんはどう思いましたか?

CRNには、子どもに関する様々な問題・テーマを議論する場として会議室/Forumがあります。
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フォーラムフリーで、「合計特殊出生率1.29」について意見交換をしませんか?(入口はこちらから

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参考資料
*平成15年人口動態統計月報年計(概数)の概況
*CRN国際シンポジウム2000「21世紀の子育てを考える 働く母親を支援するチャイルド・ケア 〜米国NICHDの研究から学ぶ〜」


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