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―特別インタビュー―
子ども・メディア・教育

石井威望×聞き手:河村智洋

4  子どもたちには説明書はいらない

河村 私が子どもと付き合っていて驚くのは、子どもたちのメディア機器のマスターの仕方がとてつもなく早いことです。説明書も読まずに、みんなで遊んでいるうちに、機械の特徴や使い方をあっという間に覚えてしまう。あれは本当に不思議です。

石井 もともと子どもはそういう能力をもっているのだけれど、もっていないと大人たちは誤解しているのでしょう。私の経験からすると、若ければ若いほど適応力があって、使いこなすまでの時間が短いように思います。

河村 子どもたちには説明書という概念がないですね。いきなり操作を始めてしまう。

石井 先ほどの『エミール』ではないけれど、大人は最終的に知識がまとめられた説明書から入ろうとします。体験もしてないうちから、全体を知識として知ろうとします。だからメディア機器がとても難しいものや面倒くさいものに思えてくるのです。そして結果的には覚える速度が子どもよりも遅くなってしまう。
 私が講演などに新しいメディアを持っていくと大人はすぐに説明を求めます。原理を教えてくださいと言い出します。そんなもの話したってすぐにわかる訳ないのだから、まず使ってみればいいし、使っている人を脇で見てればいいのに、言葉がほしくなるのですね。
 メディア教育で本当に大切なのは思わず手にとっていじり始める感覚だと思います。説明書を勉強しようとするのはその感覚とは合っていません。もっといえば、ツールにこだわるのもおかしいのです。ツールが先にあるのではなくて、まずはやりたいことがないと。ツールにこだわるから、コンピュータ教育というと、機器の操作ばかりになって、手段が目的化してしまうのでしょう。


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