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―特別インタビュー―
子ども・メディア・教育

石井威望×聞き手:河村智洋

5  メディアで子どもの潜在的な思いを引き出す

河村 メディアばかりに夢中になると、情報に振り回されると言いますが、私はかえって学校のオーソドックスな勉強の価値がわかるようになった気がします。

石井 メディアというと、すぐに新しいものと大人は考えてしまうかもしれませんが、人間がやりたいことや知りたいことは、決して新しいこととは限りません。技術の制約があったためにできなかっただけで、本当は昔からやりたかったことがいま実現しているだけかもしれないのです。
 いま子どもたちの中にはキッズ携帯を持っている子が増えてきています。あれには安全確保のためにGPS機能がついています。GPSを使うと宇宙からの視線で自分の位置を確認することができます。これはとても新しい感覚だと思います。でも、この宇宙からの視線を通じて、自分の位置を確認するというのは、星空を眺めていた昔の遊牧民や船乗りはみんな持っていた感覚であって決して新しいものだとは言えません。要するに、人間がやりたいことは昔から人類がみな考えてきたことだったりする訳です。その意味では、メディアの時代は人間を再発見する時代だとも言えます。
 教育はドイツ語ではerziehenといって、引き出すという意味からきています。メディアによって子どもの潜在的な思いを引き出すことができれば、それは教育にとっては大いに価値があります。人が変わるときのポイントは好奇心。おもしろいものを見せてあげれば、自分もやってみたい、できるようになりたいと思います。子どもにどれだけ印象的な体験をさせてあげるかが重要だと思います。

河村 カリキュラムやツールにこだわるのではなく、自分の知りたいと思うことをストレートに知ろうとする。そのためにメディアを活用する。そういう自由な精神がこれからの子どもたちには求められるのかもしれません。CRNではこれからも子どもたちのメディア研究を進めていきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

2006年11月15日 東京海上研究所会議室にて

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