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4月
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〜子どもの心が見えていますか?(3/5)〜

<今月の本>フィリッパ・ピアス作 『まよなかのパーティー』



◆子どもの生命の輝きを信じる◆

 子どもというのはすごい、と思いました。もちろん、正義の味方のリョウくんもすごいけれど、それを認めて、無言で支持する回りの子どもたち。(それを、笑って見守る先生も大切です)。
 それから、しばらくしたある日、近くの公園で、ばったり、かのガクちゃんに出会ったのです。ところが彼は、なんの違和感もなく、くったくなく娘をさそって、いっしょに遊びだしました。娘のほうも、あんなことがあったことなど、すっかり忘れてしまったかのようでした。

 そういえば、私も小学生のころ、キヨタカくんという男の子に学校帰りに、待ち伏せされて、「なまいきだ!」といってげんこつで殴られたことが何度かありました。怖かったけれど、自分はなにもしてないんだ、と思って無視していたら、いつのまにかやらなくなりました。遠い日の、そんなことまで思い出しました。
 でも、あれが、もし、もっともっと長く続いたら、私はどうしたでしょうか。
 やっぱり、親にも先生にも話さなかったように思います。

◆わが子だからといって心のすべては見えない◆

 〔子どもの心〕とは見えにくいものです。
 私も母となってから、子どもに向かって「なぜ?」「どうして?」と何度思ったことでしょう。もちろん、子どもはすべてを語ってくれるわけではありません。親だから、なんでも子どものことはわかっていると思っていると、とんでもありません。

 しかし、幸いなことには、たいていの場合、それでもなんとかなるようです。生命力とでもいうべきものが子どもには本来そなわっていて、親の知らないところで、いろいろなドラマをその子なりに体験して成長していくようです。

 ただし、自分には見えない子どもの心の深さ、それが多面体であるということをおとなが認識しているか否かは、大事なことのように思います。
 少なくとも親は、子どもは自分とは異なるひとりの人間であることを、忘れないようにしたいと思うのです。


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