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Vol. 19, No. 11, November 2003
1. 若者の不良行為とスポーツ活動の関連性
2. 青少年の健康に及ぼす電子メールの影響について

若者の不良行為とスポーツ活動の関連性

 “Archives of Pediatric & Adolescent Medicine” 9月号で発表された研究結果によると、普段から身体的に活発な生活をしていて、チームスポーツにも参加している女子学生は、タバコや薬物に手を出したり危険を伴う性行動にはしる確率が低いとみられている。アトランタにある疾病防疫センター(Center for Disease Control and Prevention)のティム・マクマナス(Tim McManus)氏と他の共同研究者によると、身体的に活発ではなくチームスポーツにも参加していない女子学生に比べて、スポーツチームに所属している活発な女子学生は、スポーツチームに所属していないが活発な学生、そしてスポーツチームに所属しているが活発ではない学生のどちらのグループよりも、薬物を使用したり危険な性行動にはしる割合が少ないことがわかった。しかし、これまでの他の研究結果とは反対に、男子学生については、スポーツチームに所属している活発な学生は、スポーツチームに所属していないが活発な学生、あるいは活動的でない学生と変わりなく、アルコールを飲んだりセックスをしたことがある、もしくは早い時期に初体験を済ませていることがわかった。同様に、タバコやマリファナを吸ったことがある経験に関しても違いはなかった。これらの研究結果は1999年に全国的に行われた「青少年の不良行為に関する調査」のデータをもとにしている。この調査では、15,000人以上の学生を対象に、薬物使用や性行為についての質問と共に、スポーツへの参加や身体的活動などについての質問をした。

青少年の健康に及ぼす電子メールの影響について

 横断的研究の予備調査結果は、睡眠障害を抱えている青少年が増え続けているのは、携帯メールと関係があると示唆している。彼らは送られてくるメールを逃さないように枕元にまで携帯電話を常備している。”Journal of Sleep Research” 9月13日号に掲載された投稿のなかで、(ベルギーの)ルーベン・カトリック大学(the Katholieke Universiteit Leuven)の助教授ジャン・ヴァンデン・ブルク博士(Jan Vanden Bulck Ph.D.)は、青少年の睡眠障害を引き起こす電子メールの影響についての調査結果を報告している。ヴァンデン・ブルクは、フランダースで行われたメディアと青少年の健康に関するルーベン研究第一弾に参加した2,500人の子供達の回答を考察した。参加者には、携帯電話に送られてくるメールによって夜何回目が覚めるか、そして、どのくらいの疲労感が残っているかを尋ねた。調査に参加した16歳の子供達のほぼ半数が携帯メールによって夜中に起こされたことがあると答えた。13歳の子供達の4人に1人も電子メールによって睡眠が中断されると答えた。”The Brown University Child & Adolescent Behavior Letter” のインタビューの中で、ヴァンデン・ブルクは「研究者や医者の多くは健康に影響を及ぼすメディアとしてテレビだけを取り上げがちですが、テレビや他のメディアよりも携帯電話の方が、青少年の健康により大きな影響を及ぼす可能性があるのです。なぜならテレビや他のメディアが及ぼす悪影響はせいぜい夜更かしか睡眠不足という程度だからです。」と言っている。多くの研究が、睡眠は子供の発育や総合的な健康状態において重要な役割を果たしていると証明している。睡眠不足や不眠の症状は注意障害の症状に似ていることから、睡眠障害は、注意欠陥多動性障害(ADHD)のような幼少期の神経発達障害と関係していると考えられている。また、睡眠不足によって不慮の事故を負う危険性が高まるなど、他にも子供の健康に悪影響を及ぼす。ヴァンデン・ブルクは、睡眠不足に加えて、睡眠の質においても青少年に同様の影響を与えているという。ヴァンデン・ブルクによると、彼らは単に携帯メールの受信で目が覚めるのではなく、メールによって起こされるのを期待しているのだという。そして、そのことが、ますます睡眠の質に悪影響を与えているのだ。つまり、携帯メールが送られてくるのは偶然にではなく、受信されることを前提にして送られてくるのである。「親は携帯電話が子供の生活に与える多大な影響についてもっと注意しなければならない。」とヴァンデン・ブルクは語っている。「携帯によるコミュニケーションは、ベッドに入った後も続いているのだから。」


The Brown University Child and Adolescent Behavior Letter, November 2003
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