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MATOME




「荒れ」によりよく対処していくために

「荒れ」の問題への対処には,学校現場だけでなく家庭との連携や,子どもとの信頼関係が重要である――そのような共通認識が浮かび上がりました。「荒れ」への教師の対処に今回の回答を見る限り,強い責任意識があると同時に,「子どもとの関係を壊したくない」というある種の「責任回避」ともとれる姿もうかがえます。それは前提としてある「体罰否定」とも連関しているように思います。一方で「非教職志望者」は「場合によっては体罰は必要である」と考える傾向があります。

第2回目のまとめの項で「教師は特別な存在ではない」としました。教師自身も親である場合もあるでしょう。子どもの成長を支えるのは,学校で「教育」に携わる教師だけではないはずです。このように考えてくると,教師は確かに社会的に見て重要な職業の一つではあるが「子どもの成長」を支える大人の一人に過ぎないことに気がつきます。「荒れ」の問題は,大人全員の問題なのではないでしょうか。

そして,現場の先生方にとっては,以下の学生の意見は,先の共通認識を踏まえた上で,改めて示唆的なものだと確認できます。


――教師自身が,子どもの信頼関係をないがしろにしようとは,たいていの場合,思っていないと思います。ただ,全てを円満にこなすことばかり考えてしまうと,求められるものが多すぎて,教師自身が崩壊してしまう可能性があるのではないでしょうか。先のデータでも現れているように,教職志望者は,とても責任感が強い人が多いようです。その責任感の強さが,自分の力量不足などの葛藤を生み出しかねないというデメリットも考えられないでしょうか。そもそも,教師のいる学校は,一つのシステム的な働きがあるはずで,連携をもとに成り立っていると考えます。子どもを取り巻く大人たちが,学校・教師・親とそれぞれが分裂していては,子どもを断片的にしか支援できないでしょうし,それに対して子ども自身も分断される危険もあるでしょう。子どもとの信頼関係は必要で,さらに大人同士の連携も,教師や親が一人で背負い込みすぎないために,必要なことだと思います。(女性・非教職志望者)


大学生の意見』  『現役教師の意見』  『あなたは子どもの「荒れ」にどのように対応しますか?


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