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DAI2



●大学生の意見

――「荒れ」の問題に対処していくには,親(家庭)との連携は必要ないのでしょうか。それならば,親の信頼を得ることも必要ではないでしょうか。そもそも,子どもからの信頼を教師が獲得していれば,「荒れ」の問題はある程度は防ぐことは可能だと思いますか。それとも,昨今の「荒れ」の問題は,子どもからの信頼を得る以前の問題だと思いますか。特に教職志望の方は,子どもとの信頼関係を築くことには自信がありますか。


教師が一人で40人もの子どもにくまなく目を配ることは不可能です。親が一人で少数の子どもをうまく育てられないのに,教師がそれ以上のことをやり遂げられるとは考えられません。(女性・非教職志望者)

「昨今の子どもの荒れ」ということばがありましたが,今の子も,昔の子も,たいして変わりはないのでは。むしろ,変わってしまったのは,大人であり,社会なのではないでしょうか。(女性・非教職志望者)

新学期早々,出会ったばかりの子どもたちの心を完全に理解・把握することは,教師といえども難しいことである。大人でもそうなのだから,子どもたちに「先生をすぐに信頼しなさい」といっても簡単にできることではない。だからこそ,親(家庭)との連携はどうしても必要なものであると考える。(女性・教職志望者)

「荒れ」ている子どもは,おそらく教師に注目してほしいと思っているのではないだろうか。教師がそのような子どもの心理に気づいてあげると,子どもとの信頼関係が生まれてくるのではないか。私自身は,子どもとの信頼関係を築くことに自信がある。(男性・教職志望者)

「荒れ」を防ぐためには,教師が信頼を得るよう努めなければならないと思います。そして,少なくとも今の自分にそれができるかは自信がありません。だからこそ,大学で教職課程をとっているわけですし,現場に出てみないとわからないと思います。(女性・教職志望者)

子どもとの信頼関係を全ての子どもと完璧に築くことはできないし,「築ける」と自信をもつことは危ないと思います。しかし,信頼関係を築いていこうという姿勢は大切だと思います。(男性・教職志望者)

学級崩壊もいじめも,とにかく状況は様々なので,子どもとの信頼関係さえあれば「荒れ」はなくなるとは言い切れません。しかし,そういう関係があれば,少なくともお互いに"話し合う"ということはできるのではないかと思います。(女性・教職志望者)


●大学生意見まとめ

 〜将来の自分の姿を想像すると,これは難しい問題である。

これらの意見からうかがえる考え方は,大きく見て2つあります。

1.教師も人間なのだから,完璧にこなすことを考えないでいいのではないか,それゆえに家庭との連携を探ってもいいのではないかという考え方。

2.子どもとの信頼関係は必要だが,築けない場合もある。「子ども全員との信頼関係を築くこと」を期待しない方がいいのではないかという考え方。

また「荒れ」の背景には「大人自身の変化があるのでは」と指摘する意見もありました。全般的に見て,現場の先生に対して「限界のあることは素直に『できない』と言ってほしい」という意見が大勢を占めていました。教師観調査の「自由記述」のデータの中では,大学生は「こうあるのがよい」という教師像を提示していました。しかし,生の声を聞く限りでは,特に教職志望の学生の中に不安や葛藤を正直に伝える意見もありました。実際に「荒れ」の問題と対峙するには,非常に難しい問題だという認識があるようです。


現役教師の意見』  『まとめ』  『あなたは子どもの「荒れ」にどのように対応しますか?


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