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●大学生の意見
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先の図4−2と図4−3によると,A君は自信をなくしているようにも見えました。その一方では,図4−4ではA君は教育実習経験後に「子どもの理解」にさらに自信を深めている様子もあります。また図4−5によると,A君(教職志望者)は「自分は教師に向いている」と実習経験後に考えることができたようです。 |
●大学生意見まとめ〜自信をなくしているようでもあるが,一方でモチベーションは高まっている全体的に「授業をきちんと展開することと,それに応じた豊富な知識が必要だ」という考えが優勢のようです。しかし,それを第一に考えるかどうかでは差がありました。抽出できた意見は少なかったのですが,大別すると以下の2つの考え方の変化があると言えます。 1.当初は授業を重視していたが,まず子どもを理解することも重要だということを感じた。 2.当初は子どもを理解することが重要だと思っていたが,授業も重要だということを感じた。 しかし共通しているのは,「授業をきちんとすること」と「子どもを理解すること」の両方が必要だということです。そのどちらを重視するかは,各自の考え方により差が出るということでしょう。教師個人として学校という場に限らない「多様な経験」も必要だという意見もありました。 上記の「大学生の意見」によると,大学生たちはそれまでに大学の教職課程の授業などを通して勉強してきた知識が通用しない場合が多く,それにより学校現場の実情を理解できるようになるようです。具体的には教科指導の場面であったり,子どもと接している場面であったり,またそれらも含めた全体としての自らの教育に対する考え方の「揺らぎ」を経験しています。また,教職への適性に関しては思いが至っていないようですが,反面で「こういう先生になりたい」という思いは明確になっているようです。 教育実習は教職志望のA君にとっても,教育実習での経験には様々な影響があったと言えるでしょう。 |