教師ってなに?へ 図書館へ HOMEへ ●HOME●
●図書館へ戻る●
●「教師ってなに?」へ戻る●

DAI2



●大学生の意見

授業とは,知識を与えるだけにとどまらず,人と人とのふれあいも非常に重要だと思った。教師の生き方を見て,生徒が学ぶこともあるし,その逆もまたある。指導教諭の印象的な言葉に,「授業を通して生徒との人間関係を築くことに教師としての面白みがある。ただ教えるのみで終わるのならば,味気ないものだ」知識の伝達以上に教師という職業の価値を学んだ言葉である。(非教職志望・女性)

教育実習を経験して感じたのは,教師はやはり幅広い知識が必要であるということである。自らの専門分野のみならず,学校外での社会経験もたいへん重要であり,一度教職に就いたら定年まで教師を務めるのではなく,企業に勤めたり,他の公共機関に出向いたりする機会があっても良いのではないかと思う。(教職志望・男性)

見た目は大雑把だけど実はしっかりしていて,子どもが安心できるような人間になりたい。どちらかといえば縁の下の力持ちがいい。実習で会った先生なのですが,もう40歳過ぎなのに,子どものような視点でものを見ることのできる先生でした。その先生のような先生になりたいと思いました。(教職志望・女性)

今までは,生徒の気持ちを理解できる先生になれたらと思っていたが,今は教師はまず「専門的知識をもっており,毎回の授業をきちんとできる」ことが前提にならなければならないのだと思っている。その上で,温かい心で生徒と接し,生徒の精神面にも充実感を与えることができるような,人間的に魅力のある教師になりたい。(教職志望・女性)


DATA4-4
DATA4-5

先の図4−2と図4−3によると,A君は自信をなくしているようにも見えました。その一方では,図4−4ではA君は教育実習経験後に「子どもの理解」にさらに自信を深めている様子もあります。また図4−5によると,A君(教職志望者)は「自分は教師に向いている」と実習経験後に考えることができたようです。


●大学生意見まとめ

 〜自信をなくしているようでもあるが,一方でモチベーションは高まっている

全体的に「授業をきちんと展開することと,それに応じた豊富な知識が必要だ」という考えが優勢のようです。しかし,それを第一に考えるかどうかでは差がありました。抽出できた意見は少なかったのですが,大別すると以下の2つの考え方の変化があると言えます。

1.当初は授業を重視していたが,まず子どもを理解することも重要だということを感じた。

2.当初は子どもを理解することが重要だと思っていたが,授業も重要だということを感じた。

しかし共通しているのは,「授業をきちんとすること」と「子どもを理解すること」の両方が必要だということです。そのどちらを重視するかは,各自の考え方により差が出るということでしょう。教師個人として学校という場に限らない「多様な経験」も必要だという意見もありました。

上記の「大学生の意見」によると,大学生たちはそれまでに大学の教職課程の授業などを通して勉強してきた知識が通用しない場合が多く,それにより学校現場の実情を理解できるようになるようです。具体的には教科指導の場面であったり,子どもと接している場面であったり,またそれらも含めた全体としての自らの教育に対する考え方の「揺らぎ」を経験しています。また,教職への適性に関しては思いが至っていないようですが,反面で「こういう先生になりたい」という思いは明確になっているようです。

教育実習は教職志望のA君にとっても,教育実習での経験には様々な影響があったと言えるでしょう。




現役教師の意見』  『まとめ』  『教育実習ってなに?


Copyright (c) 1996-, Child Research Net, All rights reserved.